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仏壇の知識

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誰もが一度は仏壇を見たり、仏壇の前で祈りをささげたりしたことがあるのではないでしょうか。

家に仏壇がない子供でも祖父母の家を訪れた時に立派な仏壇を目にする機会があると思います。そして「線香でもあげてって」と言われ、線香をたいて仏壇の前で手を合わせるぐらいのことはするでしょう。
そんな日本の生活文化に密着している仏壇ですが、では仏壇とは一体なんなのでしょうか?

仏壇とは「厨子」と呼ばれる仏像や位牌などを納めておく仏具の一種でもあり、亡くなった家族を祀り、線香をあげたり、供物を供えたり、祈りを捧げたりして供養する祭壇でもあります。

お家の中にお寺の仏堂のミニチュア版を置くようなもので、各宗派によって内装が異なり、特に浄土真宗は仏壇に対して細かな取り決めが多いです。仏壇の中央部分は「須弥壇(しゅみだん)」といいます。

須弥壇は仏教の世界で神々が住むと言われている巨大な山の「須弥山(しゅみせん)」を表しています。この須弥壇より上は天空の世界、須弥壇より下は地上の世界とされており、通常仏様を須弥壇の上、位牌を須弥壇の下に納めることになります。

そんな仏壇ですが面白いことに、仏壇を家庭に置いて仏様を祀り、位牌を仏壇に置いて故人を供養する文化は、同じ仏教国のタイや仏教発祥国のインドでは見受けられないそうです。

仏壇は仏教の日本伝来とともに国内だけで進化を遂げてきたと言えます。日本で昔からの慣習だった亡き先祖を敬う思い、そして仏教への信仰心を表現する一つの場として日本独自に広まった文化が仏壇なのです。

しかし今のご時世、仏壇がある家だからといってそこの家の人が仏教徒であるとは限りません。今日の仏壇は祀ってある亡くなった家族に感謝の気持ちを持って手を合わせ、何か会話をしながら心を通わせる場としての意味合いが強くなっています。

仏壇も多様化しており、今説明したような形にとらわれない、家のインテリアに合うおしゃれな仏壇を選んで買われる方も多いです。

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仏壇の歴史

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仏壇はいつごろから使われるようになったのでしょうか。
仏壇という名前からイメージするように、仏教が日本に伝来したことに関係します。

聖徳太子が誕生する前の古墳時代の6世紀、朝鮮半島の南西部にあった百済(くだら)という国から仏教は日本に伝わりました。飛鳥時代になると、聖徳太子が仏教を日本国内に広めていきます。

685年、天武天皇が「諸国の家ごとに仏舎を設け、仏像及び経巻を安置し、以て礼拝供養せよ」と命じたと「日本書紀」に記述されていることから、これが仏壇の始まりではないかと言われています。

その後、仏教は日本に広がりはじめ、698年には神道の伊勢神宮にも神宮寺ができ、仏教が入り始めました。奈良時代の752年には奈良の東大寺に大仏が完成し、日本国内に仏教と仏壇が広まっていきます。

しかし、当時の仏壇は高級なものであったため、一部の貴族などにしか持つことは出来ませんでした。7世紀前後に製作され、当時の法隆寺金堂に安置してあった「玉虫厨子」が、日本の仏壇のルーツではないかと言われています。

鎌倉時代になると中国から儒教にも使われていた「位牌」が日本に伝わりました。室町時代には書院造りという武家の住宅様式が生まれ、床の間に仏具や掛軸が飾られるようになります。仏壇を和室に祀るという習慣ができました。

仏壇が全国的に庶民の家で供養に使用されるようになったのは、江戸時代になってからのことです。江戸時代になると、江戸幕府がキリスト教を禁制にするため、お寺に檀家制度がつくられます。
すべての家はお寺の檀家として、戸籍を管理されることになります。

檀家制度だけでなく、各家庭に仏壇を祀り供養することも奨励されました。仏壇をただ祀っているというだけではなく、庶民に仏教徒であると言うことを証明させるための道具としても使用されていました。

そのため江戸幕府の統制により強制的に仏壇を飾らせたのではないかと言う推測も存在しています。この時代から江戸幕府の統制も手伝い「葬式」「先祖信仰」「仏教」が強く結びつくことになります。このことから、現在まで続く仏壇の基本が完成したと思われます。

元々日本には氏神や祖先を祀るためのいろいろな祭壇を家の中に置くという風習はありました。先に挙げた室町時代には床の間に仏画を飾り、香炉、灯立、花立の三具足を用いて日常的に礼拝していました。同時に仏像を礼拝し御経をあげることも日常的になります。その後、床の間には神を祀る神棚と、仏を祀る仏壇に分離していきます。

今ではお寺と神社は別々の宗教という認識の方が多いと思いますが、奈良時代に神道と仏教が交流し始め、明治政府による神仏分離令(1869年)までの1000年以上の長い間、神仏習合という神道と仏教が融合された神と仏を祀り拝む信仰が一般的でした。


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仏壇の種類

仏壇の種類
仏壇の種類

仏壇の種類は大きく分けると3種類に分けられます。

 1.漆を仏壇に塗って、金箔を押して仕上げた「金仏壇」
 2.黒丹・紫丹と言った銘木を材料に仕上げた「唐木仏壇」
 3.フローリングの部屋などのリビングに調和するように仕上げた「モダン仏壇・家具調仏壇」
   ※製造元により呼び方に若干違いがあります。

1.金仏壇

金仏壇は桧や杉の白木に漆を塗り、金箔を押して貼り付けた仏壇です。金仏壇は西日本で多く使われていますが、金箔や金粉で仏壇の表面を仕上げ日本古来の伝統工芸が集約された、きらびやかで美しい技巧が仏壇に施されています。

金箔は金塊を薄くのばしたもので、どれだけ薄くのばすかによって、二枚掛け、三枚掛けといった基準があるそうです。純金から作られた金箔は、長い年月が経っても色が美しい金色が変化することはありません。メンテナンスを定期的に業者へお願いすれば、金箔が剥げてしまう心配もほとんどありませんので、大切に扱えば100年以上美しい金色の金仏壇のまま、子孫に引きついていくこともできます。

金仏壇は仏壇の中で最も歴史のある仏壇です。金仏壇の中には金箔に純金を使用していない金仏壇もあります。長年月日が過ぎていくと、鮮やかな金色が序助に変化していきます。安価の純金製ではない金仏壇の場合は修理もできない場合があるため、純金製の金仏壇を買うときには、仏壇を購入する業者から正式な「純金箔保証書」などの保証書を入手することをお勧めします。


2.唐木仏壇

「唐木」とは、奈良時代に中国大陸にあった「唐」という国から日本へ渡ってきた木材です。木目が美しい硬くて重い木材で耐久性にも優れていますが、木材の素材としては扱いにくく、木材の加工には職人の技術が必要でした。本来は、黒檀、紫檀、鉄刀木などのみ「唐木」と呼んでいましたが、現在の「唐木仏壇」という呼称は、それ以外の木目の美しい木材も含めた仏壇も含まれています。

天然の木目を生かした風格のある素材で、伝統の唐木加工技術を駆使して造り上げた工芸品といえます。
仏壇以外にも各地方で唐木細工と呼ばれる伝統工芸品を見聞きすることもあると思います。

唐木材料は天然の素材で、現在では唐木の伐採制限もあり貴重な木材となりました。一本唐木をそのまま唐木仏壇に使用すると、とても高価なものになります。現在の仏壇の大半は芯材に別の木材を使い、唐木のような銘木を外観に貼り付けて使用されることが多いようです。

また、仏壇の心材に別の木材を使用することは、仏壇の価格を抑えるという目的以外にも、木材の割れや狂いを防ぐといった目的もあります。唐木は自然の素材なので、無垢のままでは反たり割れてしまうことがありますが、別の木材の芯材に唐木を貼り付けることで、そのような問題を防ぐことができます。

昔は仏壇の表面の仕上げの方法を、「鏡面仕上げ」と言われる光沢のある仕上げ方が多かったようですが、最近ではセミオープン仕上げと言われる、木の質感を仏壇の外観面にそのまま生かした仕上げ方が多くなってきています。唐木仏壇は宗派を問わず、関東地方で多く使用されています。

3.モダン仏壇・家具調仏壇

近年登場してきた仏壇が、モダン仏壇や家具調仏壇と呼ばれる新しいタイプの仏壇です。この仏壇の呼び方はさまざまで、現代風仏壇、都市型仏壇、リビング仏壇とも呼ばれています。

首都圏などでは核家族化が進んだこともあり、ライフスタイルにさまざまな欧米の文化が定着しつつあります。住居も日本家屋や日本間での生活は縁遠くなり、洋間中心の和室の無いお宅や新築のお宅でも仏間や和室を作らないお宅が増えてきました。

日本人のライフスタイルの変化にともない、伝統的な仏壇のデザインにこだわらずに、宗教宗派関係なく自由な発想から生まれた仏壇です。

各ご家庭のリビングなどの洋間と調和するように、インテリア性を重視したすっきりとしたモダンなデザインが多く、現在の生活様式にも選択しやすい仏壇です。リビングルームや洋間に調和する小型の仏壇も多く、マンションのリビングやフローリングの洋間などにも違和感なく置くことができるため、今後は仏壇の主流になると思われます。

小さいタイプの仏壇は、小型仏壇やミニ仏壇といった呼ばれ方もしています。仏壇に対する旧来の考え方にとらわれず、各ご家庭のライフスタイルにあった仏壇を選ぶ傾向が増えつつあります。

モダン仏壇・家具調仏壇に使用される材料は、ウォールナット、チーク、メープル、ナラといった洋家具に使用される木材を使用した仏壇から、プラスチックや金属などの今までの仏壇には使用されていなかった新しい素材を使用した仏壇もあり、各ご家庭のインテリアや個人の好みに合わせて選択することができます。

伝統的な仏壇にはない比較的明るい色調の仏壇もあり、あまり宗教色を感じさせないモダン仏壇・家具調仏壇も珍しくありません。

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仏壇と仏具のお手入れ

仏壇と仏具のお手入れ
仏壇と仏具のお手入れ

仏壇や仏具のお手入れはこまめに行い、仏様や故人に敬意を払いましょう。しかし自己判断の勝手な方法で掃除を行うと、かえって仏壇や仏具をダメにしてしまいます。しかし、注意すべきところを守れば仏壇は驚くほど長持ちします。そこで仏壇の種類にあったお手入れ方法を、ここでご説明させていただきます。


1.金仏壇の場合

金箔部分は非常に繊細なのでお手入れの際は特に注意を払ってください。お掃除は仏壇店で売っている仏壇用の毛バタキでホコリを払う程度で十分です。細工が細かい部分は毛先が柔らかい筆を使ってください。そういったところを毛バタキで無理に掃除をしようとすると細工を傷めかねません。

金箔部分は直接手で触れると手の油分や汗や指紋が付いてしまいますので、直接触るのは厳禁です。万が一手で触れてしまい汚れてしまった場合は、仏壇用のクロスや柔らかい布で軽く乾拭きする程度にしましょう。ゴシゴシ擦ると金箔がはげてしまいます。

蝶番や金具も塩分に弱くて傷みやすく、下手すると錆びてしまうので、直接手で触れないようにしてください。触れてしまった場合は仏壇用のクロスや柔らかい布で軽く乾拭きをしましょう。普段のお手入れでは毛バタキでホコリを払う程度で構いません。また、長年仏壇を使っていると蝶番のネジがゆるんできます。ゆるんだままにしておくと仏壇を傷めかねませんので、お手入れのたびにチェックし、ゆるんでいたらねじを締め直すようにしてください。

仏壇の漆塗りの部分は湿気に弱いので水拭きは厳禁です。仏壇用のクロスや柔らかい布で乾拭きしましょう。水をこぼしてしまったり、花立のお水を取り換えたとき、底に水がついたまま仏壇に置いてしまったりしてそのままにしておくと、その部分の漆が劣化して剥げてしまう場合があります。水をこぼしたら直ぐに拭き取り、花立の底も拭いてから仏壇に供えるようにしましょう。

お仏像や位牌のお手入れは毛バタキや毛先が柔らかい筆でホコリを払って下さい。扉や内障子のサンも同様です。

2.唐木仏壇の場合

こちらは比較的簡単なお手入れで済みます。毛バタキでホコリを落とし、仏壇用のクロスや柔らかい布でやさしく乾拭きする程度で大丈夫です。あまりゴシゴシすると傷がつくのでご注意を。

ロウソクや線香の油煙や扉に付いた手垢や油など、汚れがひどい場合はぬるま湯に浸した柔らかい布を固く絞って拭いてください。そしてすぐに乾拭きしましょう。最後に、専用のワックスや艶出し液などを使えば、仏壇が本来持っている艶を取り戻すことが出来ます。

仏壇の細部や細工の細かな所は毛先の柔らかい筆や綿棒でお手入れしてください。金箔が使われている場合は金仏壇同様のお手入れ方法となります。

3.仏具のお手入れ

仏具は素材に応じたお手入れが必要です。色付け、金メッキ、フッ素、セラミック加工をしている仏具は、仏壇用のクロスや柔らかい布で乾拭きするだけで大丈夫です。決して真鍮磨きは使用しないでください。表面に施されている加工にダメージを与えてしまいます。

上記加工のしていないものは真鍮磨きで磨いたあと、乾拭きしてください。灯立にこびりついたロウはお湯をかけて溶かしたり、専用の液を使ったりすればキレイに取れます。決して釘などの金属を使って削り取ろうとしないでください。傷が付く原因になります。また、香炉の灰もふるいにかけると灰がさらさらに蘇ります。

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納骨仏壇とは?

納骨仏壇とは
納骨仏壇とは?

納骨仏壇とはなんでしょうか?

仏壇の種類も日本の各地方毎に特長がありますが、納骨仏壇とは仏壇に納骨できるような納骨室などを設けることで、仏壇に骨壷を保管しておくことが出来る仏壇です。

納骨仏壇は寺院などの納骨堂で使用される納骨仏壇と、ご家庭で使用するための納骨仏壇があります。

納骨堂で使用されている納骨仏壇は、仏壇にコインロッカーのような機能を持たせたもので、骨壷を仏壇の下部にある納骨室に納骨できるタイプが多いようです。このような納骨堂は、墓地や霊園のお墓が屋内に設置された納骨仏壇になりますので、永代供養料や管理料が必要なところが一般的だそうです。

ご家庭で使用するための納骨仏壇は、一般的な仏壇と比べるとまだまだ知られていませんが、骨壷を仏壇の下部に納骨し、自宅で故人を供養するための自宅供養用の仏壇です。見た目は一般的な仏壇と大きく変わらないデザインのものが多いようで、縦長の木製の納骨仏壇が一般的です。

納骨仏壇の大きさは、ある程度の骨壷を納骨できるような仏壇が多いようで、コンパクトなものはあまり見かけません。ある程度納骨仏壇の設置スペースにゆとりがあるご家庭や、複数の骨壷を納骨する予定のあるご家庭にはオススメです。

自宅に設置した納骨仏壇はお墓の代わりになり、故人やペットの遺骨を大切に保管しておくことで、毎日でも供養することができます。

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仏壇と仏具の通販

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インターネットが普及していなかった時代には、お店へ出向き商品を実際に見て購入するか、電話や郵送で購入を申し込む通信販売が一般的でした。
仏壇や仏具も実際にお店で商品を見たり、販売員の方に仏壇や仏具についての説明をしてもらうことで、商品の特長や知識を知り、そのお店で購入することが普通だったと思います。

他のお店に展示してある仏壇や仏具を比較するには、各お店に出向いて比較するしかなかった為、あとでこっちの仏壇や仏具のほうがやかったなんてこともありました。また、仏壇や仏具に限ったことではありませんが、お店によっては商品の価格が表示していなかったり、高価な価格表示から値引きをして販売しているお店もありました。

現代社会ではインターネットに接続されたパソコンや携帯電話・スマーフォンなどから、いろいろな情報を入手できるだけでなく、さまざまな商品を通販で購入したり、サービスを契約することが簡単に出来るようになりました。

ただ、通販で商品を購入する際、気になるのが実際に商品を見て購入できないことです。一般的な仏壇ですと大きさが大きいので、ご自宅の設置も通販業者が手配して行うこうお店もあります。

実際の商品を見て購入できないことを補うため、通販店によっては仏壇の設置を含めて返品保証・返金保証を行っているお店もあります。家具の通販店でも仏壇店と同じように返品保証・返金保証を行っているお店をよく見かけます。

このように仏壇や仏具を通販で購入する際には、お客様が安心できるサービスを行っているお店を選択するとよいでしょう。

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